題名

東から太陽が昇り、ふと振り返ると後ろでは月が傾いていた。 当たり前のことですが、その当たり前こそが風情と言える気がします。 裏の意味として新しい国の発達とともに古き国は滅び行く、という意味があるようです。 廻り巡ると言うことでしょうか。

見かけの乱世よりも見えない乱世。 果てることのない業に終わりはあるのか。 作者が戦乱を嘆いてから一世紀たらず、人は未だ過ちを犯し続けています。 ある道化師の言葉ですが、人は何処から来て、どこへいくのか。

人生は旅、死後もまた旅、終わらない旅は続いていく。 ある漫画において夢は第二の人生、という言葉がありますが、ならばすべて、旅なのでしょうか。

死んだら蓮台野に弔ってください、かの地は私の望みをそのまま表す土地ですから。 蓮の台は菩薩などが座る台のことで西行はこの台に座りたいと思っていたそうです。 この場合、蓮台野とは岩手のデンデラ野ではなく、京都にある墓地を指しているとされていま…

戦争に対する歌です。 賢しさは、時に残酷です。 愚かさは、時に悲哀です。 正直者は死ぬのは今も昔も変わらないのでしょうか。

案の定、といいますか今回リクエストはありませんでした。 そういうわけでして毎度おなじみ私の自選となります。 私が行き(逝き)、主がいなくなっても庭の梅よ春を忘れるな 一説によれば鶴岡八幡宮へと向かう前に読んだとされる歌です。 知っていたとしたら…

久しぶりに好きな歌人西行の歌を選ばせていただきました。 私は恋の歌よりも風景の歌を好みます。 立春の風景をそのままに、表した西行、この歌を詠ったとき、彼は櫻の元で死ぬことをどう考えていたのでしょうか。

史実というよりも創作での歌です。 天下の大泥棒は世の真理を言った。ということでしょう。 ただ、この人物が存在し、処刑されたことは確かなようです。 釜茹で。この季節を考えなくとも恐ろしいことです。

死ぬべき時に死にましょう 身も蓋も無い訳ですが、このようなものでしょう。 キリシタンにとってこういう歌は衝撃的だったと思います。 その一方で日本人っぽいな、思う私もまた、日の本の民、ということでしょうか。

木の間に見えるのは蛍か、漁に向かう海女達の船の灯か この作者は六歌仙の一人ですがその詳細は殆ど知られておらず、また現存する歌もたったの二首しかありません。 山に住んでいたといわれていますからおそらくそのときの歌と思われます。 仙人のような生活…

雲の向こうへと飛んでいく雁もこのような姿になるとは 料理される直前、調理場にて羽を毟られた姿を見て詠んだ歌だといわれています。 自由とは他からの干渉によって簡単に崩れ逝くもの、ということでしょうか。

竹取物語、仏の御鉢より。 恥を捨ててまですがりたい、と詠んだ彼ですが果たしてその後どう暮らしていくつもりだったのでしょうか。

鎌倉幕府の終焉、それはあっけないものでした。 彼が遺した歌には諦観が漂っています。 こんなにも儚い世だから、憂いや悲しみがある 彼は何を悲しみ、憂いたのか。 自分についてか、それとも現世の、ひいては後の世をか。

現世では逢えずとも来世では逢おう そんな歌だったと思います。 怨霊になってまで現世に留まり続けた彼が次なる生へと向かえるのはいつのことでしょうか。 リドリーさんの案を採用させていただきました。 この場を借りてお礼申し上げます。

空に浮かぶ月の光を雲の隙間より見ることも無く、暗闇のまま世(自分のこと?)は終わるのでしょう 悲しい歌です。 小野小町は晩年は落ちぶれていたと聞きます。 その心理を歌ったのでしょうか。

水無月のころ、蒼天ホトトギスの声だけが響いている いいかげん、梅雨には終わって欲しいものです。 暑いのは苦手ですが、蒸し暑いのは更に環をかけて苦手です。 ホトトギスは季節を告げる鳥です。 時期はずれではありますが、季節が変わることを願い、据え…

どうやら私は健康ではないようです。 まあ、かといって病気でも、無い。 さて、どうしたものでしょうか いつの間にやら一年のうち半分が過ぎ去ってしまいました。 光陰矢のごとしとはよく言ったものです。 色々ありました。忘れがたいこともありました。 そ…

26日にリクエストしてくださった方がいましたので採用させていただきました。 親の七光とされた人です。 まあ、それを払拭する逸話も残っています。 掛詞を瞬間的に作り出した逸話ですが、なんというか掛詞は今でいう洒落なので今の感性では表現が難しいです…

余命一年ありません。 そんなことを言われたら、人はどうするのでしょうか。 私はきっと動けなくなるまで今の日常を繰り返すのでしょう。 すこしでも、永らえるために。

あえて、これを。 わかる人のみわかってください。 不安定な状態の私にある意味相応しい出典かもしれません。 ここでもうひとつ名言と思えるものを。 「命の重さは同じかもしれない、でも……命の価値は同じじゃないのよ」 (MONSTERよりエヴァ・ハイネマン)

久しぶりに辞世の句を選んでみました。 彼については多くを語らないほうがいいでしょう。 彼は、還ってきて何を為そうというのでしょうか。

歌集「空の本」冒頭より とりわけ自由な歌風で知られる人です。 この人の口語訳は読んだ人物が感じたものが訳とするのがいいようなので、私の解釈を。 暑い残暑が続く日、私は父の小さな墓を見下ろしている…… まあ、そのままです。 尤も、この歌は複数の歌の…

ものすごい有名な歌です。 中学生くらいで日本史をかじったことのある人なら耳にしたことはあるでしょう。 確かに存命の時はこの通りでした、しかし子孫は……まあ、よくあることでしょう。

土佐日記やら新古今で有名な人の歌です。 人は変わっても花の香りは変わらない 以前題名に据えた小野小町と真っ向から対立するような歌ですが、好みは人それぞれ、ということで。 私本人は花についてはなんともいえませんが、人の心については両者同様、移り…

あえて同じ作者の有名な歌見渡せば 花ももみぢも なかりけり 浦のとまやの 秋の夕暮とは違うものを選んでみました。 この人はこのような歌を好んだようで類似する意味の歌が多数あります。上記の歌を含む「秋の夕暮れ」で終わる有名な三首を三夕といいます。

美しい月夜を見ようと思ったがガラス窓にうつったランプの灯の所為で何も見えない。 自然を表す月夜と人工を表すガラス窓とランプ。 両者は相容れないのでしょう。

今日は旅の日だそうです。 由来は松尾芭蕉の旅立った日にちにちなんで、だそうです。 ですので、今回は彼の句を。 特に目をかけていた弟子(流罪にあっている)に会う際に鷹の声を聞いて詠んだそうです。 夢は夢、ということでしょうか。

竹取物語、最終章『ふじの煙』より。 もはや会えないというのなら、不死の薬を飲んだところでどうなるというのだろうか という意味を持つこの歌を詠み、帝は薬を富士山へと捨てる。 そして爾来、火口は燃え続ける。 忘れることは虚しいことですが忘れられる…

花の色は移ろいゆく、人の心もまた移ろいゆく そんな意味を持つ歌です。 違約ですが、初志貫徹は難しい、ということでしょうか。

今回は有名な作家の作品を。 意味としては、橋の上から胡瓜を投げたら水音がして河童の皿が見えたといった感じでしょうか。 また、辞世の句といわれるものはもうひとつあり、水洟や 鼻の先だけ 暮れ残るというものもあります。 彼の代表である鼻と河童、それ…