久しぶりに古巣を覗き、感慨を覚えつつ手慰みに。
なにかしかの言葉を頂ければ、喜ぶかもしれません。
以下、非常に見苦しい、拙い文字の羅列が続きます。
そのため、隠しておきます。
 
 
掌編「連鎖の果て」(前)
 

 
 
「私は人を殺した」
 
誰に言うまでもなく、私は一人呟いた。
もっとも、誰も聞いていないが。
時刻は、午前二時。
草木も眠る丑三ツ時、この路地裏に人なんて来ないだろう。
 
付け加えるなら、ここ最近この街では所謂連続殺人が流行っている。
ならば、夜出歩く不埒な者など居ないだろう。
 
 
ともかく……私は人を殺した。
私は人を殺した。
私は人を殺してしまった。
いや、『殺してしまった』なんて被害者ぶった台詞なんて私如きになんて勿体ない上に烏滸がましい。
やはりこう言った方が正しい。
 
「私は人を殺した」
 
思い出すように、噛み締めるように、思い知らせるように私は呟いた。
当然聞いている者なんて、居ない。
だが、私は呟かずにはいられなかった。
 
ふと、思い出したように私は足下を見つめた。
赤い何かがこびりついた小降りのナイフが転がっていた。
まあ、当然だろう、先程まで私が握っていたのだから。
そして、視線をゆっくりと、睨めつけていくように前方へと移動させていく。
 
上着の左胸を赤黒く染めた彼が横たわっていた。
眼は虚ろで、何も映していない。
心なしか、どんよりと濁っているようにも見える。
無理もない、もう、あの場所に倒れ込んでからゆうに二時間、いや、三時間近くは経っている。
 
 
 ……続く